ディレクター:ラン・ウルフ&カリン・シャブタイ
キュレーター:タル・エレズ&アナット・サフラン
デザインには素材(自然)、工芸(文化)、技術(科学)、神話(歴史)という4つの側面があり、それによって地域性が反映されます。視覚、物体、空間の上に地域性が表現された作品は、常に変化するこれら4つのバランスの結果です。すでにそこに存在するもの、外からもたらされたもの、外の世界に向けられる地域の視点、そして国際的な枠組みを使った地域の内的な探求です。デザインはそうしたもののバランスです。
時代や場所にかかわらず、こうした4つの側面のバランスは原初的なものであり、人の起源そのものに由来します。イスラエルの国境が現在ある辺りにあり、人類最初の神話である「エデンの園」があったと仮定すると、それこそがデザインの起源だと言えるでしょう。
スパイラルでの「エルサレム・デザイン・ウィーク」は、自然や文化、技術、神話に関する視点の相克から生まれた様々な作品に、訪れる人を誘います。それらは、あからさまにイスラエル的だったり、あるいはその要素がほとんど見られなかったり、バランスの比率は様々です。
展示の終わりにあるのは、資源にまつわる2つのイスラエルの神話が出会う庭園です。死海の塩の不気味な存在感、そして、この地域で最初に栽培され、農業革命や近代的な生活を生んだ小麦にまつわる神話です。生と死の神話が出会うこの場所で、土地固有の花々についての建築的な解釈がそれぞれの庭園に隠されており、それはエデンの園と同様、想像するだけで立ち入ることは許されれないのです。